監修者:陣内 由彦
杏鍼灸整骨院院長/鍼灸師/柔道整復師
治療院での臨床の傍ら、陸上競技やソフトボール、剣道などの学生スポーツのトレーナー活動に従事。
コロナ禍においてはYouTube、Twitter、note、ブログ等でセラピスト向けの情報発信を本格化。
『鍼×物療』の魅力を広げるべく、日々精力的に活動している。愛称は“鍼灸のピコ太郎”。
鍼通電の勉強をしてみたいけど、
何から学べばいいですか?
それなら、まずは電気療法の『基礎理論』をしっかり学ぶことが大事ですよ
電気療法の基礎理論?
それって、どうして大事なのでしょうか?
電気の特性や設定を知っておくと、
「安全」かつ「効果を出す」ことができるからです!
なるほど!
それを学べるオススメの本ってありますか?
ありますよ!通電の基礎から学べる本を紹介していきますね!
厳密にいうと『電気療法』=『鍼通電療法』ではないですけど、
基礎的な部分は同じだと考えていいでしょう。
ぜひ、参考にしてみてください!
よろしくお願いします!!
鍼通電の勉強におすすめな本3選
最新理学療法講座 物理療法学
2020年12月に医歯薬出版株式会社から刊行された本で、電気療法分野で約40ページと非常に多く、電気療法の基本から少し踏み込んだ応用まで学べます。
本書を読むことで、鍼通電や電気治療でまず理解しておかないといけない「周波数(Hz)」「パルス(μsec)」「出力(mA)」などを理解することができます。
これらの言葉が分からないと電気治療の論文などを読んでも全く理解が出来なくなるので、わからない方には是非読んでほしい一冊です。
おすすめのポイント
- 周波数、パルス幅、出力といった基礎知識からわかりやすく解説
- 電極の位置やモーターポイント、デルマトーム、スクレロトーム等が一目でわかる図解付き
- 各症例ごとに合わせた臨床的な通電スキルが身につく
特徴/他の書籍とのちがい
電極の位置などの記載があり、モーターポイント、デルマトーム、スクレロトームなども紹介されており、初めて読む方にとっては非常に見やすいと思います。
筋肉を動かして筋ポンピング作用を出す時はモーターポイント、痛みを抑えたいときにはデルマトーム、変形性膝関節症などの痛みにはスクレロトームなど解剖学的に学べるため、鍼通電を行う場合でも臨床の幅は広がります。
基礎内容を幅広く網羅しているので電気療法、鍼通電だけではなく物理療法の基礎を勉強したい方にはおすすめです。
こんな方におすすめ
- 物理療法と電気療法の基本をしっかり学びたい初心者の方
- 臨床的な通電スキルを身につけたい方
- より高度な治療スキルを学びたい方
エビデンスから身につける物理療法 第2版
PT・OTビジュアルテキスト:エビデンスから身につける物理療法 第2版 – 羊土社
この本は羊土社から2023年2月に第二版が発刊された本で、物理療法の本では恐らく一番新しい本ではないのかなと思います。
そのため、拡散型体外衝撃波などの新しい物理療法のエネルギーについても書かれています。
新しい分野も勉強したい方にとっては手に取ってみてみるのはオススメだと思います。
また、この本も先ほどの「最新理学療法講座 物理療法学」と同じく基礎用語の説明もしっかり書かれているので電気療法を学びたい方にとっては最適です。
おすすめのポイント
- 新しい治療法について詳しく解説
- WEB動画で、視覚的なイメージ学習ができる
- リハビリや運動器メインの臨床に活かせる内容
特徴/他の書籍とのちがい
この本における他との違いは2つあります。
1つ目は、イメージなどが「WEB動画でみれる」という点です。物理療法の勉強の難しく感じる所として「イメージがわきにくい」という所があると思います。
聞きなれない用語ばかりでイメージがわきにくい方などは動画などを見る事によって学習しやすいと思います。
2つ目は、タイトル通りPT・OTビジュアルテキストなので理学療法士の方向けに書かれているのでリハビリなどに直結する内容となっています。
鍼灸師として運動器をメインに施術している方には臨床に結びつけやすいと思います。
こんな方におすすめ
- 最新の治療法について学びたい方
- 動画を使って視覚的に学びたい方
- リハビリ、運動器系の治療に直結するスキルを身につけたい方
EBM物理療法 原著第4版 大型本
最後の本ですが、この本の特徴は「ほとんどが海外論文に記載されているもの」でまとめられているということです。
もともとが海外で出版されているものを日本語訳にしている本であるため、このような翻訳本に慣れていない方にとっては少し読みにくい印象を受けるかもしれません。
日本では考えれてないようなことも解説されているため、臨床では意外と「ヒント」や「気づき」になることも多いです。
私(陣内由彦)にとって好きな一冊になります。
おすすめのポイント
- 国際的な治療について学びたい方
- 新たな気づきやアイデアによって、臨床の理解を深めたい方
- 論文をもとに、治療の新たな仮説を知りたい方
特徴/他の書籍とのちがい
翻訳本ならではの海外の視点が特徴です。
日本の物理療法とは異なるアプローチを学べるため、臨床に役立つヒントや気づきを得ることができます。
もちろん、基本的な物理療法についての解説もあります
こんな方におすすめ
- 物理療法と電気療法の基本をしっかり学びたい初心者の方
- 臨床的な通電スキルを身につけたい方
- より高度な治療スキルを学びたい方
実践的なスキルを求める方に、おすすめのサイト
ここからは私(陣内由彦)が運営しているサイトについてご紹介していきます。
鍼灸師のスキルアップ塾
鍼灸師の免許取り立てのときに、知りたかったものをまとめています!
このサイトでは、
- 臨床のなかでの気づきや考え
- 実際に役立った本の紹介
- 症例の紹介
- YouTube座学のスライド資料
など幅広くまとめています。
今後は、YouTubeの資料配布や症例紹介をメインに更新しますが、思いついたこともどんどん掲載していきます。
note(ノート)
国内・海外の論文などを取り上げつつ、私の経験からヒモ解いて紹介しています!
月に2本ずつのペースで有料note記事を提供しています。内容は以下の通りです。
- 鍼灸臨床の解剖学的基礎からの考察
- 解剖学的な刺鍼技術
- 国内、海外の論文の紹介
論文を紹介しつつ、私の経験を交えながら解説しています。
YouTubeチャンネル
電気鍼、運動鍼、トリガーポイント、テーピング等々…実技を紹介しています!
私が運営しているYouTubeのチャンネルです。内容は以下の通りです。
- 鍼灸の実技
- テーピングのやり方
- 物理療法の解説
鍼灸の実技、テーピング、物理療法などを紹介しています。
動画の数や種類もどんどん増やしていっていますので、ぜひチャンネルも合わせてご覧ください。
まとめ
おすすめの本は、鍼灸師のレベルや目的によって違います。
この記事を参考に、ピッタリな本を選ぶことで、あなたの通電スキルを高めることができます。
本から身につけた知識を活かして、一目置かれる鍼灸師を目指していきましょう。
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