最近、話題となっている「WEB問診システム」
導入もしくは検討している鍼灸院は増えており、「WEB問診」という言葉を目にするようになったのではないでしょうか?
しかし、
・WEB問診とはどういったものか分からない
・導入後のイメージがはっきりとしない
・わざわざ紙から、電子化にするメリットがいまいち分からない
とお悩みの方も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、鍼灸院がWEB問診票を使うメリット・デメリットを解説します。
WEB問診を導入することで、普段の業務がどのように変わるのかイメージしやすいように分かりやすくお伝えします。
そもそもWEB問診とは?
WEB問診とは、来院前に患者さんがスマホやタブレットなどから、問診票を記入できるシステムです。
院内で問診票を記入するのもよいですが、WEB問診票を使えば待ち時間が短縮されて、患者さんは快適に感じられます。
WEB問診には、大きく3つのタイプがあり、患者さんがよりスムーズに使えるよう設計されています。
【①来院前にWEB・アプリから問診票を記入するタイプ】
来院前にWEBやアプリから問診票を記入できるタイプです。
予約システムと連携できる場合、予約と同時に問診票も受け取れるので、来院当日の受付と診療がスムーズになります。
【②院内のQRコードから問診票を記入するタイプ】
院内に掲示されたQRコードをスキャンしてもらい、患者さんのスマホから記入してもらうタイプです。
特別なアプリは不要で、カメラ機能だけでWEB問診フォームにアクセスしてもらえます。
これにより、患者さんは自分のペースで問診票を記入でき、案内の手間などを最小限に抑えることができます。
【③院内の専用タブレット端末から問診票を記入するタイプ】
鍼灸院で入力用としてタブレット端末を用意して、患者さんが記入するタイプです。
タブレットの大きな画面は見やすく、スマートフォンのように直感的に使いやすいことが特徴です。
さらに、手書き入力機能を使えば、紙の問診票と同じ感覚で記入できるため、入力ストレスは少なくなるでしょう。
WEB問診システムが使われる理由とメリット
紙問診からWEB問診に変えると、鍼灸院には多くのメリットを得られます。
主なメリットは、主に以下の3つが挙げられます。
【WEB問診票のメリット】
1.業務がスムーズとなり、より多くの患者さんを診ることができる
2.症状をより詳しく把握でき、診療の質が高まる
3.すぐに問診項目のカスタマイズができる
ここでは、どんなメリットがあるのか詳しく解説します。
メリット①業務がスムーズとなり、より多くの患者さんを診ることができる
WEB問診を導入すると、受付から診療までの業務が大幅に効率化されます。
紙の問診票では、紙の受け渡しやカルテへの転記、ファイル管理・廃棄には多くの手間と時間がかかります。
しかし、WEB問診を使うと、これらの作業がまとめて解消されます。
患者さんが入力した情報は、瞬時にデータとして記録され、カルテにも自動で反映されるため、手作業が大幅に減ります。
診療までのプロセスがスムーズとなる分、より多くの患者さんを受け入れることができます。
メリット②症状をより詳しく把握でき、診療の質が高まる
紙の問診票では、紙のスペースや待ち時間に制限があるため、質問の数と内容に限界があります。
さらに、質問のボリュームが大きくなると、患者さんにとってストレスになることも少なくありません。
その点、WEB問診なら、患者さんの状態に合わせた質問を事前に設定でき、必要な情報をもれなく集めることができます。
事前に整った情報を把握できることで、深掘りした質問や説明に十分な時間を充てることができ、質の高い診療を提供することができます
メリット③すぐに問診項目のカスタマイズができる
紙の問診票では、変更や追加があるたびに、編集と印刷をし直す必要があります。
また、古い問診票の廃棄にはコストもかかり、管理がめんどうです。
これに対して、WEB問診なら、リアルタイムで問診項目をカスタマイズでき、瞬時の対応ができます。
さらに、患者さんの症状とニーズに合わせて、複数の問診票タイプを準備できるため、とても便利です。
WEB問診システムのデメリット(注意点)
WEB問診には、多くのメリットがありますが、導入時の注意点として以下のデメリットもあります。
【WEB問診のデメリット】
1.コストがかかる
2.作業負担が大きくなる可能性がある
3.高齢者にとってはハードルである
あらかじめ知っておくことで、WEB問診システム導入後のトラブルを未然に防ぎましょう。
デメリット①コストがかかる
WEB問診システムを使うには、初期費用や月額費用がかかります。
特に、予約システムや電子カルテとの連携が含まれるパッケージの場合、月額10,000円以上になることもあるでしょう。
とはいえ、業務効率化や患者数の回転率向上を考えると、メリットが上回る価値あるシステムです。
まずは、複数のシステムを比較し、自院の経営に見合った先を探してみましょう。
デメリット②かえって負担が大きくなる可能性がある
WEB問診は、質問内容をカスタマイズ性が高い反面、患者さんにとっての入力負担が増すことがあります。
多く質問を詰め込んでしまうと、かえって患者さんのストレスを招いてしまいます。
そのため、質問内容は、必要最低限に絞り、回答しやすいチェックボックスや選択式を使う心がけが重要です。
また、どんなシステムでも、最初は操作に慣れるまでに時間がかかることがあります。
システム導入時には、サポート体制が充実しているのか、直感的に使いやすいかを確認しておくことをおすすめします。
デメリット③高齢者にとってはハードルである
WEB問診システムに対して、高齢者の中には苦手意識を持っている方が多いです。
最初はシステムに慣れるまで少し負担がかかるかもしれませんし、使い方のレクチャーが必要なこともあります。
しかし、数回使用していくうちに慣れていき、スマホと同じように3ヵ月後には一人でも使いこなせるようになる方もいます。
どうしても慣れない方のために、紙の問診票も準備しておくとよいでしょう。
WEB問診システムによっては、紙の問診票を画像として保存できるため、アナログ管理による負担を減らすことができます。
まとめ
WEB問診は、業務効率化と診療の質の向上に大きく役立ちます。
患者さんの待ち時間が短縮され、受付業務がスムーズになるといったメリットがあります。
一方で、デメリットとしては、コストやシステムの操作に慣れるまでの負担、そして高齢者にとっては使いづらさを感じる場合があることが挙げられます。
これらのメリットとデメリットを十分に理解したうえで、システム選び、導入後のトラブルを未然に防ぎましょう。