鍼灸院をレンタルサロンで開業するメリット・デメリットは? 開業手順まで徹底解説!

鍼灸師なら1度は考える開業。とはいえ、いきなりテナント開業するのは不安が多いかと思います。

こういった背景もあり、この記事を読んでいる方も、費用とリスクが小さいレンタルサロンでの開業を考えているかと思います。

しかし、実際に開業したくても「本当にレンタルサロンで開業することが正解なのか不安」「開業するやり方が分からない」とお困りではないでしょうか?

そこでこの記事では、レンタルサロンで鍼灸院を開業するメリット・デメリットについて紹介します。

また、実際に開業する方法を解説します。開業時につまづきやすいポイントもありますので、画像付きで詳しく説明させていただきます。

目次

レンタルサロンで開業するメリット

コストをおさえられる

開業コスト

レンタルサロンで開業する最大のメリットは、コストを抑えれることです。

テナントを契約して開業する場合、どんなに安くても何百万円もの費用が必要となります。

また、設備基準の関係により、リフォームが必要なケースでは、さらに数万~数十万円とかかることも多々あります。

レンタルサロンならば、内装工事が不必要であることに加え、業務に必要なベットやデスク、ネット環境などがあらかじめ整っています。

レンタルサロンで開業することにより浮いたお金で、広告費や施術用の備品などを充実化させたり、将来のためにお金を残すことができます。

そのため、開業費用を抑えたい方にとっては、最大のメリットとして魅力的に感じるでしょう。

ランニングコスト

筑波技術大学と明治国際医療大学による「あん摩マッサ-ジ指圧業の実態に関する調査研究」では、廃業率(休業含む)は、16%ほどでした。あん摩マッサ-ジ指圧業の実態に関する調査研究

鍼灸院は、医療機関やリラクゼーションサロン、整体院とも激しい集客競争をします。

テナント契約では、集客がうまくいかないときでも、毎月の賃料や管理費、光熱費を支払い続けなければいけません。

レンタルサロンだと、使った分だけ料金を支払うシステムなので、赤字経営のリスクを抑えることができます。

身軽であるぶん、立て直しがしやすく、廃業による借金のリスクが少ないため、たとえ失敗しても再チャレンジしやすいです。

手続きがラク

テナント契約での開業では、建造設備や清潔管理の基準をクリアしたうえで、開業届を出さなければなりません。

鍼灸師向けのレンタルサロンは建築基準をクリアしているため、開業届などの書類を出すだけで始められます。

そのため、テナントでの開業と比較して、ラクに始められるメリットがあります。

以下のサイトでは、鍼灸向けにレンタルサロンを探せるサイトになります。

良い立地を選びやすい

レンタルサロンは、都市や駅の近くといった好立地に構えているケースが多いです。

店舗を構える鍼灸院では、「立地」が集客の命といっても過言ではありません。

患者さんがアクセスしやすい立地で開業することで、大きな集客効果が期待できます。

また、いくつかの候補地で同時に営業できるので、将来のテナント開業の候補地探しに役立ちます。

レンタルサロンで開業するデメリット

集客に制限がある

レンタルサロンは、集客にハードルがあります。

店舗を構えて開業した場合、地域に根差した集客ができます。近くを通りがかる人に認知してもらい、集客力を伸ばすことができます。

一方、レンタルサロンでは、看板を立てることができないため、患者さん自身が調べて来院してもらう必要があります

レンタルサロンでの集客は、ネット検索や口コミ紹介によるきっかけが、ほとんどであるため、ネット集客とリピーター対策が必須となります。

そのため、ポータルサイトへの掲載や治療ケアの充実度を上げる取り組みをしましょう。

設備の充実度が劣る

レンタルサロンは、スペースに制限があるため、大きな道具を持ち込めません。

施術や清潔管理に必要な道具をできるだけコンパクトにする必要があるため、事前のチェックはしておきましょう。

レンタルサロンでは、リピーター中心となりやすい分、満足度対策がかなり重要です。

使用する道具は出来るだけ、コンパクトで機能性がよいものにこだわって選びましょう。

また、サロンによっては、お灸などの香りが強いものが使えないところもあるので、事前に確認しておきましょう。

予約受付の自由度が低い

時間制のレンタルサロンでは、自由なスケジュール調整ができません。

急な予約キャンセルや遅刻は、大きな損失となります。また、人気なレンタルサロンほど予約が埋まりやすく、思ったように利用できないことも多々あります。

とくに週末では、患者さんの予約があってもレンタルできる部屋がないケースに陥りやすくなるでしょう。

そのため、予約管理システムの導入はもちろん、来院された患者さんにそのまま次回の予約を取ってもらう対策などが求められます。

開業までの3つのステップ

開業したいレンタルサロンが見つかったら、必要な手続きをしましょう。

開業までの流れについて、わかりやすいようにまとめてみました。

ステップ詳細必要書類
①保健所にレンタルサロンを
事前に見てもらう
業務開始前に、レンタルサロンの内見をしてもらう
②保健所へ書類を提出業務開始から10日以内に
保健所へ右記の書類を提出
施術所開設届
平面図
はり・きゅうの免許証
本人確認証
施術所廃止届
印鑑
③税務署へ開業・廃業届を提出レンタルサロンを借りた日付から1カ月以内開業・廃業届出等書
印鑑

①保健所にレンタルサロンを事前に見てもらう

レンタルサロンが「設備構造基準」にクリアしているのか、保健所からの事前チェックをしてもらう必要があります。

この事前チェックを済ませておくと、保健所側で基準にクリアしたことを記録してくれるので、のちのちの申請がスムーズに通りやすくなります。

当日、保健所の方は、施術室や換気設備の面積をメジャーで測ったり、防火設備を確認します。

チェックされる設備構造基準について、東京の保健所によると以下のとおりです。

チェックされる設備構造基準
  • 6.6平方メートル以上の専用の施術室を有すること
  • 3.3平方メートル以上の待合室を有すること
  • 施術に用いる器具、手指などの消毒設備を有すること

参照元:施術所の構造設備基準等について 東京都保健医療局 (tokyo.lg.jp)

地域の保健所によっては、基準が異なるため、一度保健所へ相談しておきましょう。

②保健所へ書類を提出

レンタルサロンで開業する場合、「施術所開設届」の提出となります。※自治体によって異なる場合があります。

業務開始から10日以内に、保健所へ提出してください。初めての場合、保健所の方から施術所の事前チェックが求められます。

「レンタル期間」「スタッフ数」などによっては、各保健所から求められる出し方が異なる場合があります。

届出のトラブルを回避するためにも、事前に管轄の保健所に確認することをオススメします。

あくまで一例ですが、届出の出し方には以下のようなケースがあります。

このほかにも、はり・きゅう師の免許証と本人確認ができる運転免許証・印鑑を必ず持参しましょう。

各自治体のHPにて、施術所開設届をダウンロードすることができます。
※実際の福岡県の書式

③税務署へ開業届を提出する

事業を始めてから1カ月以内に、税務署へ届出書を提出する必要があります。

正確には、「個人事業の開業・廃業等届出書」というものになります。新しく事業を始めたいときや、移転、廃業するときに使われる届出書です。

直接税務署に行かなくても、国税庁のHPでもダウンロードできます。
個人事業の開業・廃業等届出書ダウンロード

実際に、税務署の方からの案内によると以下の書き方でよいとのことでした。

所得が発生するため、ここで「所得税の青色申告承認申請書」も出しておきましょう。

青色申告書は、支払う税金が安くなったり、購入した備品が経費で落とせるメリットがあります。

書き方については、以下を参考にしてみてください。まったく分からなくても、税務署の方に聞くと丁寧に教えてくれるので、安心してください。

まとめ

本記事では、鍼灸院をレンタルサロンで開業するときのメリットとデメリットについて、解説しました。

レンタルサロンは、少ない資金でも始めやすく、リスクを抑えれるので、開業のハードルは大きく下がります。

しかし、集客力とスケジュール調整が求められるため、しっかりとした管理能力が必要となります。

軌道に乗らせるために、事前のマーケティング調査と集客対策をおこない、勝てる鍼灸院を目指しましょう。

また、開業時に必要な書類をまとめましたので、ぜひチェックしてください。

ステップ詳細必要書類
①保健所にレンタルサロンを
事前に見てもらう
業務開始前に、レンタルサロンの内見をしてもらう
②保健所へ書類を提出業務開始から10日以内に
保健所へ右記の書類を提出
施術所開設届
平面図
はり・きゅう師の免許証
本人確認証
施術所廃止届
印鑑
③税務署へ開業・廃業届を提出レンタルサロンを借りた日付から1カ月以内開業・廃業届出等書
印鑑
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次