「ポスティングを試したいけれど、本当に効果があるのか不安…」と感じている鍼灸師の方は多いのではないでしょうか。
ポスティングは地域密着型の集客に向いていますが、やみくもに配るだけでは思うような反応は得られません。
反応率を高めるためにはチラシのデザインや配布方法の工夫に加え、広告表現のルールにも注意が必要です。
そこで本記事では、ポスティングの費用対効果の目安やチラシ作成のポイント、成果を出すためのコツをわかりやすく解説します。
ポスティングの費用対効果はどのくらい?

ポスティングは、地域の人に直接アプローチできる集客方法です。
反応率は一般的に0.01〜0.3%ほどといわれており、1万枚配れば1〜30人ほどが興味を持つ計算になります。
費用はチラシの印刷代と配布代を合わせて1枚あたり3〜10円ほどです。1万枚配る場合、3万~10万円かかります。
反応率を考えると、1人の患者さんを獲得するのに数千円〜数万円かかる計算です。
チラシをきっかけに来院した患者さんがリピートすれば、費用対効果は高まります。
ターゲットを絞ったり、チラシの内容を工夫したりすることで、集客の成功率も上がりやすくなります。
自分でチラシを作って配る場合は?
チラシの作成や配布を業者に頼まず、自分で用意する方法もあります。
この場合、コストは抑えることができますが、時間や労力の負担が大きく、施術との両立が難しくなる可能性があります。
特に配布作業は根気よく続ける必要があり、体力的にも大きな負担になりやすいでしょう。
鍼灸院でチラシを作成する際のポイント

ポスティングで効果を上げるためには、チラシ作りが重要です。
ここでは、チラシ作成のポイントを紹介します。
目を引くデザイン
チラシは一瞬で興味を引くことが重要です。
パッと見て内容が伝わるよう、シンプルで分かりやすいデザインを心がけましょう。
文字ばかりではなく、写真やイラストを活用すると印象に残りやすくなります。
特に、施術者の顔写真や似顔絵、院内の雰囲気が伝わる画像を入れると親しみを持ってもらいやすくなります。
また、色使いやフォントの選び方も工夫し、読みやすさを意識することが大切です。
掲載する内容
チラシには、必要な情報を簡潔にまとめることが大切です。
特に、以下のような基本情報を分かりやすく記載しましょう。
【チラシに掲載すべき基本情報】
- 鍼灸院の基本情報(院名、住所、電話番号)
- 業務の種類(はり業・きゅう業)
- 施術時間(営業時間・定休日)
- アクセス情報(最寄り駅や駐車場の有無)
- 予約はできるか(予約制か、当日対応可能か)
- 出張による施術ができるか
ただし、鍼灸院のチラシに記載できる内容には規制があり、チラシだけで院の魅力を十分に伝えるのは難しいです。
そのため、ホームページやSNSのQRコードを掲載し、スマートフォンからアクセスしてもらうことで、より詳しい情報を見てもらえるよう工夫するのがおすすめです。
広告規制については次章で説明します。事前に必ず確認してください。
「問い合わせ・予約」への導線設計
チラシを見た人がスムーズに問い合わせや予約ができるよう、分かりやすい導線を作ることも重要なポイントです。
電話番号やQRコードは目に入りやすい位置に大きめに配置し、すぐに連絡できるようにしましょう。
また、「初めての方も安心してご相談ください」や「ご予約・お問い合わせはお気軽に」といった親しみやすい表現を加えることで、問い合わせのハードルを下げる工夫もできます。
広告表現に注意

鍼灸院のチラシには、厚生労働省の広告ガイドラインに基づいた表現のルールがあります。
違反すると行政指導や罰則の対象になる可能性があるので、慎重に作成しましょう。
【 ✖ NGとされる表現の例】
- 効果・効能を断定する表現:「必ず治る」「〇〇に効く」
- 医療行為と誤認される表現:「診察」「診断」「治療」「処方」
- 誇張・優良誤認を招く表現:「地域No.1の実績」「医師も推薦!」
- 他院との比較・優劣を示す表現:「当院は他院より効果が高い」「どこよりも安い」
- 科学的根拠のない施術効果の記載:「免疫力が上がる」「未病を完全に防げる」
- 過度な誘引・誤解を招く割引表記:「初回無料」「今なら〇〇円引き」
- ビフォーアフター写真や体験談の掲載
【記載できる内容】
- 院の基本情報:院名、住所、電話番号、営業時間、定休日
- 業務の種類:はり・きゅう、小児鍼(必要なら「あん摩・マッサージ」など)
- 施術の流れ:「カウンセリング → 施術 → アフターケア」など簡単な流れ
- 対象となる人の例(症状ではなく状態を記載):「肩や腰の不調が気になる方」「疲れが取れにくい方」
- 院の特徴や方針:「予約制」「完全個室」「女性スタッフ在籍」など
- アクセス情報:最寄駅、駐車場の有無、地図
- 問い合わせ・予約方法:電話番号、予約フォーム、LINE予約のQRコードなど
- ホームページやSNSのリンク:「詳しくはこちら」とQRコードを添えて誘導
適切な表現を心がけ、安心感のあるチラシを作成しましょう。

鍼灸院のポスティングで成果を出すためのコツ

ポスティングは、ただチラシを配るだけでは思うような成果につながらないこともあります。
効果を高めるためには、工夫が必要です。
特に、次の3つのポイントを意識すると、集客につながりやすくなります。
- ターゲットを明確にして配布エリアを選ぶ
- 配布枚数と頻度を工夫する
- 効果を測定し改善する
それぞれのコツを詳しく見ていきましょう。
ターゲットを明確にして配布エリアを選ぶ
ポスティングで効果を高めるには、まずターゲットを明確にすることが大切です。
そのうえで、ターゲットが住んでいる可能性が高いエリアを選ぶことがコツです。
- 肩こり・腰痛に悩む人(デスクワーク・力仕事が多い人)
→ 住宅街の一軒家や、単身・ファミリー向けのマンションが多いエリア - 慢性的な疲れや冷えが気になる女性(主婦・働く女性)
→ 子育て世帯が多いエリアや、大型マンションがあるエリア
ただし、マンションによっては「チラシ投函禁止」の場合もあるため、事前にルールを確認しておきましょう。
また、通いやすい距離に住んでいる人に配布すると、来院のきっかけになりやすいです。
広くたくさん配るよりも、必要としている人に届くよう意識することがポイントです。
配布枚数と頻度を工夫する
チラシは1回配るだけでは反応が出にくいことがあります。
同じエリアに何度か配布することで、認知度が高まり、来院につながりやすくなります。
例えば、2〜4週間おきに複数回配布することで、チラシを見てもらえる確率が高まります。
また、在宅率の高い午前中や休日に配ると、目に留まりやすくなります。
「最近よく見るチラシだな」と思ってもらうことが大切です。
何度か目にすることで興味を持つ人が増え、来院につながりやすくなります。
効果を測定し改善する
ポスティングの効果を高めるには、配布後の反応を確認し、改善を重ねることが大切です。
新規の患者さんに「どのように当院を知りましたか?」と尋ねると、チラシを見て来院したかを自然に確認できます。
こうして反応を集めることで、どの配布エリアが効果的かを判断し、次回の配布に活かすことができます。
また、QRコードを活用しアクセス数をチェックすれば、チラシを見た人がどれくらいいるのかを確認することも可能です。(例:Googleアナリティクス、Bitly)
もし反応が少なければ、デザインやキャッチコピー、配布エリアを見直すことも考えましょう。
小さな工夫を積み重ねることで、より多くの人に届き、成果につながります。
まとめ
ポスティングは、地域の人に直接アプローチできる集客方法ですが、効果を高めるには工夫が必要です。
ターゲットを明確にし、配布エリアやタイミングを考えることで、チラシが必要な人に届きやすくなります。
ただし、鍼灸院の広告には厳しい規制があるため、効果を誇張した表現や誤解を招く内容は避け、適切な表現を心がけることが大切です。
広告ルールを守りつつ工夫を重ね、効果的にポスティングにつなげていきしましょう。