出張専門の鍼灸師になるには?必要な準備と成功のポイントとは

「出張専門の鍼灸師になりたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。

出張専門は店舗を持たずに開業できるため、自由な働き方ができるのが魅力です。

しかし、移動の負担や集客の難しさなど、不安も多いはず。

特に「どうやってお客さんを増やすか」「手続きはどうしたらいいのか」など、悩むことも多いですよね。

そこで本記事では、出張専門の鍼灸師になるメリット・デメリットや開業手順、成功のポイントを解説します。

目次

出張専門の鍼灸師になるメリット・デメリット

出張専門の鍼灸師として働くと、初期費用を抑えられるなどのメリットがある一方、移動の負担が大きいなどのデメリットもあります。

それぞれをしっかりと理解したうえで、自分に合った働き方を選ぶことが大切です。

ここでは、出張専門の鍼灸院を開業する際のメリット・デメリットについて詳しく解説します。

メリット

まず、メリットは次の3つです。

  • 初期費用が少ない
  • 自由な働き方ができる
  • 通院が難しい方にも対応できる

初期費用が少ない

出張専門の鍼灸師は、施術所を借りる必要がないため、初期費用を抑えやすいのが特徴です。

通常、鍼灸院を開業する際には物件契約や内装工事、設備購入などで200~800万円程度かかることもあります。

しかし、出張専門の場合は、必要な道具代だけで数万円程度と、かなり低コストで開業できます。

また、家賃などの固定費が抑えられるため、経営の負担を軽くできるのも大きなメリットです。

自由な働き方ができる

出張専門の鍼灸師は、働く時間や訪問するエリアを自分で決められるため、ライフスタイルに合わせた働き方ができます。

予約管理も自分で行うため、仕事とプライベートのバランスを取りやすいのも魅力です。

特に、副業として始める場合や、家事や育児と両立したい方にはぴったりの働き方です。

通院が難しい方にも対応できる

出張専門の鍼灸師は、高齢の方や身体が不自由な方、小さなお子さんがいる方など、通院が難しい方にも施術を提供できます。

自宅や施設に訪問するスタイルであるため、努力次第で多くの患者を診ることができます。

また、介護施設や産後ケア施設などと契約すれば、継続的な依頼につながり、安定した収入を得やすくなります。

デメリット

一方デメリットには以下の3つが挙げられます。

  • 移動の負担が大きい
  • 集客が難しい
  • 天候の影響を受けやすい

移動の負担が大きい

出張専門の鍼灸師は、患者さんの元へ移動するため、移動時間や交通費がかかります。

特に、遠方の患者さんが増えると、移動に多くの時間を費やすこともあるでしょう。

また、施術道具を持ち運ぶため、肉体的な負担も少なくありません。

効率よくスケジュールを組んだり、訪問エリアを絞ったり、荷物を最小限にするなど、負担を減らす工夫が求められます。

集客が難しい

出張専門の鍼灸師は、施術所を持たないため、通りすがりの人に見つけてもらうことが難しいです。

そのため、集客には工夫が必要です。

ホームページやSNSを活用して知名度を高めたり、紹介を促進する仕組みを作ることが大切です。

また、ターゲットを明確にし、ニーズに合った層に向けて情報を発信することで、より効率的に集客ができるようになります。

天候の影響を受けやすい

出張専門の鍼灸師は、移動が必須のため、天候の影響を受けやすいです。

雨の日や猛暑、寒い冬の日は、移動が大変になるだけでなく、患者さんのキャンセルが増えることもあります。

特に、台風や雪の日には、安全を考慮して予約を調整する必要があるでしょう。

そのため、天候に左右されにくい働き方を工夫することも大切です。

例えば、悪天候の日はオンラインで健康相談を行うなど、別の収益手段を持っておくと安心です。

出張専門の鍼灸師になる手順

出張専門の鍼灸師として開業するには、準備と手続きが欠かせません。

ここからは、「出張鍼灸師になるにはどうしたらいいの?」「手続きが不安」という方に向けて、基本的な流れを解説します。

1.エリアと料金を決める

まず、施術を行うエリアを決めます。移動時間や交通費を考慮し、負担の少ない範囲で設定することが大切です。

都市部では比較的狭いエリアでも依頼が期待できますが、地方では少し広めに設定する必要があるかもしれません。

料金については、実費の場合、施術料に加えて出張費を設定するとよいでしょう。

相場を参考にしながら、自分の施術内容や患者層に合った価格を決めます。

また、寝たきりの方や歩行が困難な方は健康保険を利用した施術が可能な場合があります。

保険適用時の料金は厚生労働省の規定で決まっており、医師の同意書が必要です。

定期的に料金規定が変わるので、事前にチェックしておきましょう。

参考:あはき療養費の令和6年度料金改定(案)について|厚生労働省

2.道具の準備

出張専門の鍼灸では、施術所と違い、必要な道具をすべて持ち運ぶ必要があります。

基本的な持ち物として、以下のようなものがあります。

  • 施術用品(鍼やお灸など)
  • 白衣
  • 名刺
  • カルテ
  • タオル類
  • 消毒用品
  • 文房具
  • バイタル測定機
  • 電子機器(スマホ、タブレット、ポケットWi-Fi)
  • カードリーダー など

また、訪問先によって施術環境は毎回異なるため、安定した姿勢で施術できるようにクッションや高さを調整できる道具を用意しておくと安心です。

荷物が多くなりがちなので、必要なものをコンパクトにまとめる工夫も大切です。

3.開業の手続き

開業にあたり、必要な手続きを行います。

■税務署への届出

住所地を管轄する税務署に「開業届」を提出します。

これは事業を開始したことを報告するもので、開業後1ヶ月以内に提出する必要があります。

青色申告を希望する場合は「青色申告承認申請書」も同時に提出すると、税制面でのメリットがあります。

■保健所への届出

出張専門の場合、施術所を持たないため保健所への「開設届」は不要ですが、「出張施術業務開始届」を提出する必要があります。

業務を開始してから10日以内に住所地を管轄する市区町村の保健所に提出しなければなりません。

また、保険診療も行う場合は「施術管理者登録」も必要です。

1年以上の実務経験と16時間以上の研修(約2日間)の修了が求められるため、事前に準備を進めておくと安心です。

研修の日程は各地域の厚生局HPで事前に確認しておきましょう。

■その他手続き

「事業用口座の開設」をしておくと便利です。個人の口座と分けることで、収支の管理がしやすくなります。

また、「損害賠償保険」への加入も検討しましょう。

訪問施術では予期せぬトラブルが発生することもあるため、万が一に備えておくと安心です。

4.集客、施術を始める

準備が整ったら、集客を始めます。

知人や家族に知らせたり、SNSやホームページを活用して宣伝しましょう。

ポータルサイトへの掲載やチラシの配布も、認知度を高める方法の一つです。

依頼が来たら訪問し、施術を行います。

施術後はアフターフォローを丁寧に行うことで、リピーターにつながりやすくなります。

コツコツ続けて信頼を築き、安定した運営を目指しましょう。

出張専門の鍼灸師として成功するポイント

出張鍼灸師として成功するためには、依頼を待っているだけではなく、自ら積極的に行動し、工夫を凝らすことが大切です。

以下のポイントを意識して、より多くの患者さんに信頼される鍼灸師を目指しましょう。

わかりやすく宣伝する

出張鍼灸の魅力を伝えるためには、わかりやすく宣伝することが大切です。

ホームページやSNSを活用して、出張エリアや施術内容をはっきりと伝えましょう。

  • 自宅で受けられる鍼灸
  • 長時間の外出が難しい方も安心

といったキャッチフレーズを使うと、患者さんの関心を引きやすくなります。

また、料金表や施術風景をイメージしやすい写真やイラストで紹介し、信頼感を高めることを心掛けましょう。

移動効率を考える

効率的な移動は、時間とコストを節約するためにとても大切です。

訪問するエリアをしっかり計画し、同じエリアの患者さんをまとめて訪れるなど、移動時間を最小限に抑える工夫をしましょう。

また、交通手段や移動のスケジュール調整も重要です。

効率的な移動ができれば、サービスの質を保ちながら、より多くの患者さんに対応することができます。

信頼を得る

出張鍼灸師として成功するには、信頼を築くことが何よりも大切です。

患者さんの悩みに寄り添い、丁寧な施術とコミュニケーションを心掛けましょう。

信頼を深めるには、患者さんの声に耳を傾けた施術後のアフターフォローが欠かせません。

信頼関係が築ければ、口コミが広がり、リピーターや紹介を通じて、さらに患者さんが増えていくでしょう。

自分のファンをつくる

SNSを活用して自分自身を知ってもらい、ファンを増やすこともポイントです。

Instagramやブログを開設し、施術に対する考えや自分の経歴、日常の出来事を発信しましょう。

患者さんにとって、施術を受ける前に鍼灸師の人柄や信頼性を確認できるのは、安心感につながるためとても重要です。

定期的に投稿し、自分の魅力を伝えることでファンを増やし、新規依頼やリピーターにつなげましょう。

まとめ

出張専門の鍼灸師には、初期費用が少なく、自由な働き方ができるといったメリットがある一方で、移動の負担や集客の難しさ、天候の影響を受けやすいというデメリットもあります。

効率的な移動方法や集客戦略、SNSやホームページを活用して魅力を伝えることで、信頼関係を築き新規依頼やリピーターを増やすことが成功のポイントです。

出張専門の鍼灸師を目指す方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

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