鍼灸師として働くには、「はり師」と「きゅう師」の国家試験に合格する必要があります。2つの資格を合わせて“鍼灸師”と呼ばれ、同時に受験することができます。
でも、いざ試験が近づくと「合格ラインってどのくらい?」「難易度は?」など不安になることもあるはず。
本記事では、合格率の推移や合格のボーダーラインなど紹介します。
第33回(2025年)鍼灸師の国家試験について
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【試験日】
2025年(令和7年)2月22日(土)、2月23日(日)
【合格発表】
2025年(令和7年)3月26日(水)午後2時
【開催場所】
北海道・宮城県・東京都・新潟県・愛知県・大阪府・広島県・香川県・福岡県・鹿児島県・沖縄県
※視覚障害者のみ各都道府県で試験を実施
鍼灸師になるには、「はり師国家試験」「きゅう師国家試験」の2つを合格しなければなりません。
それぞれの合格率について、「はり師:合格率73.9%」「きゅう師:合格率74.9%」でありました。
70%以上を推移しているため、コツコツと勉強していれば合格ラインに届くのではないかと思われます。
しかし、4人に1人ほど落ちていることから、少しでも勉強をおろそかにしている方は、落ちてしまう試験といえるでしょう。
第33回(2025年)はり師・きゅう師の合格率、難易度は?
第33回(2025年)はり師・きゅう師の合格率は、
・はり師:合格率73.9%
・きゅう師:合格率74.9%
でした。


過去10年間の平均合格率は、
・はり師の平均合格率:71.1%
・きゅう師の平均合格率:72.7%
であったことから、2025年度では、問題がやや易しくなったと思われます。
また、過去2年間(2023年度・2024年度)は、いずれも合格率が70%前後と、やや難しい傾向が続いていましたが、2025年度は難易度が下がり、合格率が高くなった年でした。
【鍼灸】国家試験の「合格ボーダーライン」は?
鍼灸師国家試験は、「定員制」ではありません。合格ボーダーラインを満たせば合格できる試験です。
合格ボーダーラインについて、詳しく解説していきます。
合格ボーダーラインは60%!
「はり師」「きゅう師」ともに、合格基準は次の通りです。
試験区分 | 問題数 |
---|---|
はり師 | 170問 |
きゅう師 | 170問 |
はり師+きゅう師同時受験 | 180問 |
合格するには、正答率60%以上が求められています。
問題数に置き換えると、170問中102問以上の正解することが必要となります。
科目と構成について
鍼灸師の国家試験(はり師・きゅう師)には、「単独受験」と「同時受験」の2つのパターンがあります。
ここでは、試験問題の構成について、解説します。
単独受験の場合
「はり師」または「きゅう師」のどちらかだけを受験する場合、
試験内容は以下のとおりです。
問題構成 | 科目 | 問題数 |
---|---|---|
共通科目 | (1)医療概論 (2)衛生学・公衆衛生学 (3)関係法規 (4)解剖学 (5)生理学 (6)病理学概論 (7)臨床医学概総論 (8)臨床医学各論 (9)リハビリテーション医学 (10)東洋医学概論 (11)経路経穴概論 (12)東洋医学臨床論 | 160問 |
専門科目 | ・はり理論 ・きゅう理論 ※いずれか1つ | 10問 |
合計 | 共通12科目+専門1科目 | 170問 |
はり師、きゅう師をそれぞれ単独で受験する場合、共通科目160問+専門科目(はり理論orきゅう理論)10問の計170問を受けます。
はり師・きゅう師の同時受験の場合
「はり師」と「きゅう師」の両方を同時に受験する場合は、
以下のような試験内容になります。
試験科目 | 科目 | 問題数 |
---|---|---|
共通科目 | (1)医療概論 (2)衛生学・公衆衛生学 (3)関係法規 (4)解剖学 (5)生理学 (6)病理学概論 (7)臨床医学概総論 (8)臨床医学各論 (9)リハビリテーション医学 (10)東洋医学概論 (11)経路経穴概論 (12)東洋医学臨床論 | 160問 |
専門科目 | ・はり理論 | 10問 |
・きゅう理論 | 10問 | |
合計 | 共通12科目+専門1科目 | 180問 |
多くの受験生は、はり師ときゅう師を同時に受験します。
同時受験をする場合、事前に申請することで、一方の共通科目の試験が免除されます。
合格発表・合格率は厚労省が発表している

第33回あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師国家試験の合格発表について|厚生労働省
2025年度における合格率・合格者数について、厚生労働省ページにて確認することができます。
受験番号による合格者の確認は、「国家試験合格発表|厚生労働省」にて確認ができます。

合格ラインを超える!差がつくおすすめの勉強法

勉強時間×勉強効率=成果というように、勉強には、時間だけでなく効率も重要になってきます。
ここでは、おすすめの勉強法をいくつか紹介します。
問題集をひたすら解くアウトプット学習
本を読むだけ、動画を見るだけでは、頭にあまり負担がかからず、記憶には残りにくいものです。
そこでおすすめなのが、問題集を解くことを中心にした学習です。
思い出そうと頭を使うことで、記憶がしっかり定着していきます。
最初は問題がなかなか解けず、落ち込むこともあるかもしれません。
しかし、続けていくうちにだんだん解けるようになり、途中からはゲーム感覚で楽しく取り組めるようになります。
本を読んだり授業を受けたりした後は、できるだけ早く、何も見ずに問題集にチャレンジするのがおすすめです。
ちょこちょこ過去の学習を繰り返す
短い間に、過去に学習した内容を繰り返す方が、しっかり長時間学習するよりも記憶が定着しやすく、効率的であるとされています。
たとえば、しっかり10時間分の勉強を1日でするよりも、1時間を10日に分けて反復した方が頭に残りやすく、効率的で忘れにくいとされています。
おすすめは1日、3日、1週間ごとに過去の学習を反復することがおすすめとされています。
覚えにくいものをまとめた自分だけのノートを作る
絶対に覚えたいことや、覚えにくい内容は、持ち歩きやすいノートにまとめましょう。
いつでもどこでも反復学習できるようにしておくのがポイントです。
ノートの右ページに問題、左ページに答えを書く形式にすると、
問題を解きながら学習できるので、記憶にも残りやすくなります。
まとめ
鍼灸師国家試験は、合格率70%超えとはいえ油断は禁物です。
基本を押さえた上で、アウトプット中心の学習とこまめな反復で合格ライン突破を目指しましょう。